2012年7月の読書メーター
読んだ本の数:14冊
読んだページ数:3992ページ
ナイス数:106ナイス

■箱庭旅団
短編がたくさん集まった作品なのかと思ったら、それぞれどこかでリンクしている連作集だったという仕掛けがうまい。最初のお話で旅に出て、最後のお話で旅の経緯を語る。そのあと"旅人"はまた旅に出てしまったが、見送る自分自身は果たしてちゃんと存在しているのか不安にさせられる。唯一無二の宇宙真理って…いったいどんなものなんだろう。
読了日:07月31日 著者:朱川 湊人
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/20969626

■ハチミツ
1日で読了。橋本さんはいくつも作品を読んでないけど、好きなタイプ。な気がする。 母親の違う3姉妹。恋多き父の下、バラバラに生活しているけれど、ご飯だけはみんな一緒。これ大事。「家族」だってちゃんと確認できる場所があるのは幸せで、とても大切なこと。バラバラになりかけた家族が、また食卓を囲むことによって新生していく過程がおいしそうなお料理とともに語られている。にしても、杏ちゃんの作る料理がどれもおいしそう(しかも手はあまりかけてない)で、自分もちょっとがんばってみようかとうっかり思っちゃう(笑)。
読了日:07月27日 著者:橋本 紡
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/20900248

■SPEC ?零? (角川文庫)
来たきたきたーーーーーー!!! ここがミショウのスタートですね!!天を見てからしばらく熟成させてた零。TVの時に何度も出てきたシーンがこういうカラクリだったとは!もしかしなくともこれは伊藤さんなのか?!あの戦国オタクは瀬文さんなのか!!白い青年と少女!!!ーーとかもうみんな知っちゃってるけど(笑)、やっぱりこれも映像で見たいです。柴田さん、変わってなくて嬉しい。
読了日:07月26日 著者:
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/20854666

■猫弁と透明人間
前作の空気はそのままに、文章にこなれた感が出て読みやすくなりました。今作では、透明人間やオウムや法律王子なるものも出てきて、濃い面々が百瀬さんの「正義」と対峙します。肝心のふたりの恋の行方、野呂さんの秘密や大家さんの策略など、新たな展開もあり存分に楽しめました。そして物語をピシッと締めているのは町弁の稲葉さん。前作の三千代さん共々、歳を重ねることによって得られる重厚感が、若き(もはや中堅ですね)正義の騎士を引き立ててくれます。自由と正義の象徴であるひまわりの使い方がいいですね。最後の一文にうるっときました
読了日:07月24日 著者:大山 淳子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/20829339

■最後の恋 MEN’S: つまり、自分史上最高の恋。 (新潮文庫)
全部よかった。伊坂さんの黒澤さんからほんわか(ひょうひょう!?)と始まり、越谷さんのおだやかな空気に触れ、浅井さんの切なくて前向きな恋に少し泣き、石田さんから真っ暗な海に投げ出され、橋本さんの意外な面に驚き、荻原さんのありがちな流れに笑い、初読み白石さんの青い空に溶けました。軽く読めるものから、読後に考え込むものまでいろいろ。贅沢なアンソロジーです。
読了日:07月22日 著者:朝井 リョウ,石田 衣良,荻原 浩,越谷 オサム,伊坂 幸太郎
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/20828907

■わたしがいなかった街で
そうか、芥川賞にノミネートということは柴崎さんは『純文学』に分類されるのか。ということがしっくりと理解できた作品。どうも柴崎さんとは合う時と合わない時があるらしい。前作は登場人物に共感できたし、ストーリーもわかりやすかった。でも今回は…うーん…て感じ。祖父のエピソード、他人との距離感、戦争の映像、昔の仲間、身近な友人…などから、ものすごい確率の偶然によって今の世界が作られていることを伝えたいのかなとも思うが、後半に挿入された夏の話も唐突すぎて、どんな意味があるのだろうかとずっと考えている。
読了日:07月20日 著者:柴崎 友香
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/20698595

■『このミステリーがすごい!』大賞10周年記念 10分間ミステリー (宝島社文庫)
千夜一夜物語的に一日一話を就寝前に読んだ。10周年お祭り的なものから秀逸なショートショートまでバラエティー豊かで、この10年間でたくさんの作家を排出しただけのことはありそれなりに楽しめた。おなじみの作家さんはともかくとして、初読みの作家さんはこの本で新たな出会いがあったわけだが…好みがはっきり別れてしまい、新規開拓にこぎつくにはキビシイかも。
読了日:07月19日 著者:『このミステリーがすごい! 』大賞編集部 編
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/20660852

■少年鉄人
読んでいる間中ずっと楽しかった。あのともだちの輪の中に自分もいたらいいのに、と思うほど痛快だった。確かに暴力はイケナイ。でもそれを吹き飛ばす何かが彼らにはあるのだ。山下さんの作品の中で一番好き。一歩ずつ「世界を変え」ていく鉄人が頼もしい。関西弁もいい。悲しい思い出を背負って強くたおやかに成長して欲しい。仙人の言葉は鉄人に届いただろうか。
読了日:07月17日 著者:山下 貴光
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/20652385

■駆けてきた少女 (ハヤカワ・ミステリワールド)
ウチの地元の図書館は文庫が置いていないのでこちらでエントリー。どうも前作の吹雪〜からおじさんネタが多くなり、勝手に美化していた探偵像がガラガラと崩れている最中(^_^;)腹を刺されても脂肪が厚くて命拾い、ってなんだよ!!笑。しかし東さんはそんなお気楽な気分を継続させてはくれない。怪しい女子高校生たちと関わっていくうちに彼女たちが背負うものに気づいて行く便利屋。大きな事件は起こらないがモヤモヤとした不快感がずっとまとわりついている。タイトルの少女はどっちのコなんだろう。
読了日:07月15日 著者:東 直己
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/20652915

■雲の回廊
ため息が出るほど美しい空の写真。ゆっくり時間をかけて鑑賞。ルネ・マグリットの絵のような写真がお気に入り。ほうっと息をついたあとの最後のページにほんわか。
読了日:07月15日 著者:HABU
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/20646864

■HEROごっこ
「屋上ミサイル」の山下さんのデビュー作。屋上〜よりずっと好き。もっと早く読めばよかったな。成宮の正体とか事件の真相とかけっこう前から想像できていたけれど、本間の立場で「なんで?どうして?」と問い続けることの方が楽しめる。完全脇役のおまわりさん、純朴でいい味だしてました。
読了日:07月12日 著者:山下 貴光
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/20483792

■東京スカイツリー 世界一を創ったプロフェッショナル
タイトル借り。スカイツリーの構想から開業までを、技術者たちからの取材でまとめてある。NHKだけあって、いたってマジメな内容。NHKスペシャルを文章化した感じ。もっと図解や写真があるとよかったなぁ。
読了日:07月10日 著者:
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/20652155

■猫弁【完全版】 天才百瀬とやっかいな依頼人たち
クーパーから猫つながりでvv この百瀬さん、私の中では完全に「馬締」さんでした(笑)。風貌といい、住んでるところといい、ね?!馬締さんちにも猫いましたし☆ さて、初めての担当事件によって「猫弁」と呼ばれるようになった弁護士の百瀬さんが、人間相手の案件でその明晰な頭脳を披露すミステリーが本作。ミステリーというよりはみなさんが言ってるようにパズルでしょうか。いくつものサイドストーリーが最後にピタッと組み合わさるのは伊坂作品のようにキモチイイものです。ハートフルな猫弁と愉快な仲間たち。次回作にも期待。
読了日:07月09日 著者:大山 淳子
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/20433808

■夜の国のクーパー
ネコが語り手というところからもうすでに好きだ。人間の語り手もでてくるが、こちらはどうやらガリバーのように地面に縛られているらしい。そんな人間にネコは自国の戦争の話を始める。戦争で負けたことによる支配の話をーーー。伊坂さんの書き下ろし長編。いつも冒頭の部分は何度も読んでその世界観を頭に叩き込むのだが、今回は違った。なんてったってネコなのだ。ネコの生態や性格やしぐさがいちいちグッとくるのだから集中しないわけがない。ということで、ネコによるポイントアップがあるとしても傑作だ。清々しく優しいエンディングがいい。
読了日:07月05日 著者:伊坂 幸太郎
http://book.akahoshitakuya.com/cmt/20307196


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